広島・大竹「開幕ローテ当確」6回3安打2失点 出た〜151キロ
(スポニチアネックスまるごと広島)
◆ 巨人のタレント相手に猛アピール ◆
<巨人3―2広島>準備万端だ。先発の柱として期待される広島・大竹寛投手(21)が10日、巨人戦(松山)でオープン戦2度目の先発。
最速151キロのストレートと切れのよい変化球で6回を3安打2失点に抑え、開幕ローテーション入りを確定づけた。
その力投をセ3球団の007は絶賛。
強い警戒警報をそろって発した。
◆ “お代わり”6回、意地の投球でピシャリ ◆
意地を見せた。降板予定の5回に2失点し、安仁屋投手コーチから「後味が悪い。もう1回行ってこい」と促されて登った6イニング目。
二岡を145キロ、高橋由は147キロの内角球で内野ゴロに仕留めると、続く小久保は136キロ外角スライダーで空振り三振。
巨人が誇るタレントたちを力で牛耳った。
「全体的にインコースを遠慮がちに投げていると言われたのでね、
6回は意識した。5回がもったいないけど、ボール自体は良かったです」
立ち上がりに制球を乱して失点した前回3日、ソフトバンク戦の反省を生かし、快テンポで4回までパーフェクト。
唯一悔やまれるのは5回だ。
先頭の小久保に詰まった当たりの左前打を許し、キャプラーは
「警戒し過ぎて」四球。阿部、江藤には連続長短打を浴びた。
なおも無死二、三塁のピンチ。
だが、ここからが真骨頂だ。
心身両面で強さを発揮し、後藤、清水らを抑え切った。
「5回は走者を置いて投げ急ぎ、内角を攻め切れなかった。ランナーをためると、巨人打線は怖い。2点で踏ん張れたのはよかったけど…」
昨季抑えを経験し、4年目の今季は「先発一本で」と誓う21歳。
埼玉県八潮市の実家へ帰省した昨年末、ハートを刺激する出来事があった。
少年野球時代の監督や市長が催す食事会に出席。
「みんな応援してくれている、注目されているんだと実感しました」。
1軍に定着するまで…と断っていた集いに初めて参加し、決意を新たにした。
5回を除けば完全無欠の投球内容。
首脳陣の評価は当然高い。山本監督が「状態はよくなってきたな。ローテ?内容は出しとるよな」と合格点を与えれば、安仁屋コーチは「今日の内容なら、どの球団が相手でも大丈夫よ」と太鼓判を押した。
「まだ開幕(ローテ)が決まったわけじゃない。地に足をつけて、もっと上を目指したい」
頼もしき右腕。黒田に次ぐ存在として期待は高まるばかりだ。
◆ セ007も警戒警報発令 ◆
大竹が速球を投げ込む度に、ネット裏に陣取ったセの007が悲鳴をあげた。
4・1開幕戦で激突する巨人の三井チーフスコアラーは「あまり対戦してないのでデータがそうないんだ。3連戦で投げてくると思うけど、イヤな相手になりますよ」と苦虫顔だった。
当惑を隠そうともしなかったのは、阪神の井沢スコアラーだ。4月5日から甲子園に広島を迎えるが「どうせなら、あっち(巨人戦)で投げてほしい。とにかく、いい仕上がりをしてます」。
昨年の覇者・中日の高橋スコアラーも、赤ペンで要注意マークを書き込んだ。「きょうが一番よかったが、もっと良くなるはず」と早急に対策を練ることを明らかにした。
2005.3.11.fri