大竹自滅 またKO
ヤクルト―広島5回戦(ヤクルト3勝2敗、14時、松山、一七、九一三人)
(中国新聞)
広 島100001000―2
ヤクル20000300x―5
▽勝 吉川10試合1勝
▽S 石井7試合1勝1S
▽敗 大竹4試合1勝2敗
▽本塁打 ラミレス4号2(大竹)
●…古田の2000安打が決勝点につながった。
2―2の六回、先頭で三塁線に二塁打。続く鈴木の中前打で生還した。
ヤクルトはこの回、さらに2点を追加。終盤は山本―石井の継投で逃げ切った。
広島は大竹の交代がやや遅れたか。
球 炎 納得できない続投判断
大竹の交代機を誤った気がしてならない。
同点とした直後の六回裏。一気に3失点するまで、なぜ引っ張ったのか。
「続投か交代か」はさまざまな要素の絡む最も難しい一手だが、今日の「大竹続投」には納得ができないでいる。
古田の2000安打が達成された六回は祝福イベントで数分間、試合が”中断”した。
マウンドで再開を待つ大竹は、この「間」が「魔」だった。
直後に決勝打、次打者にはプロ初のボークも犯して四球。
さらに犠打で一死二、三塁。ここで代打に左の真中となっても続投し、計3失点。
ここに疑問が募った。
安仁屋コーチはシーズンの大局的な判断と、大竹の将来性を合わせて続投させたという。
「なるほど」とは思うが、今日に限れば、投手陣の総力を出していない。
中継ぎ陣は休養十分で、準備も完了していた。
使える投手を使わずに余力も残した敗戦は、6連戦中の采配(さいはい)だろう。
1点リードされた六回一死二、三塁で、それまでの投球内容から大竹は交代。
そして、佐竹や梅津で「1打者必殺」の継投策に出るべきだった。
将来を見据えた大竹への育成観と同様に、中継ぎ陣の強化への大局的な起用も今は求める。(木村雅俊)
◇異様なムード 動揺
古田の2000安打達成で、大歓声に包まれた球場。
先発の大竹は、異様なムードに押し流されてしまった。
六回、その古田に三塁線二塁打を打たれたのをきっかけに崩れ3失点。2試合連続のKOとなった。
制球を乱し、4回5失点だった前回登板を反省。
一回の2ランの後は懸命に踏ん張った。
辛抱にこたえ、打線が同点に追いついたその裏だった。
「記録は、意識しないようにしていた。(二塁打は)打ち取ったと思った。でも、結果がすべて」と唇をかんだ。
悔やむのは、二塁打の後の投球である。
鈴木に勝ち越し打を浴び、ボークや四球で自らの首を絞めた。
「あそこで簡単に打たれすぎた。ボークも…」。
動揺し、冷静さを取り戻せなかった自分への怒りがにじむ。
4試合で1勝2敗、防御率は7・89。
「一人前になってもらわないと、いけない投手なんだ」
と安仁屋コーチはしったする。
若き右腕にとって、試練のマウンドが続く。(近藤)
2005.4.24.sun